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公文書偽造はブロックチェーン技術で防げるか

投稿日:2018年3月21日 更新日:

まえがき

世間では公文書を偽造したとかしないとかが話題ですね。
一部ではブロックチェーン技術を使って公文書偽造を防ごうとか防ぎたくないとかって話題も出ているので、少し解説と検証をしましょう。

用語説明

森友問題

いま日本で最もホットなクソしょうもない問題のことです。
一応この記事では、森友文書の偽造問題を具体例として検証をかけていきます。

公文書

デジタル大辞泉より定義を引っ張ってきます。

国や地方公共団体の機関または公務員が、その職務上作成する文書。

今回の具体例としては森友文書こと、「森友学園の国有地売却に関する決裁文書」を指す用語です。

ブロックチェーン

これも今話題のビットコインにおいて、使用されている技術のことです。
次章で少し掘り下げます。

ブロックチェーン技術でできること

ブロックチェーンの技術的な解説は今回は省き、「何ができるか」に論点を絞ります。
ブロックチェーンは「分散台帳技術」の一種であり、「分散台帳」を構成することができます。
では、分散台帳を使えば何ができるでしょうか。

仮想通貨が作れる

分散台帳に「お金の取引」を記載することで仮想通貨が作れます。
しかし、ブロックチェーンの用途はそれだけにとどまりません。

「台帳」に記録できるものならなんでも共有し、改ざん防止できる

分散台帳とはすなわち台帳です。
台帳の形を取っているものであれば、原理的にはあらゆるものを記録・共有し、改ざん防止できます。

したがって、「公文書」を「分散台帳」に記録すれば公文書の偽造は防げます

……技術的には。

ブロックチェーンに必要となるもの

ブロックチェーンは万能のツールではありません。
ブロックチェーンを使うためには様々な資源を用意する必要があります。

コンピュータシステム

当たり前ですがブロックチェーンはコンピュータ技術です。
したがって、台帳に記録するということはコンピュータ上のデータにする、ということで、システムを構築する必要があります。

記録するデータ

当たり前ですが、ブロックチェーンに記録するものはデータです。デジタルデータである必要があります。
紙の台帳ではないので、紙は記録できません

相互監視する相手

ブロックチェーンは「分散」台帳です。
分散台帳では、「たくさんの人が同じ台帳を共有して、お互いの行動を監視・検証し合う」ことで改ざんを防止します。
なので、ブロックチェーンは一人(一団体)では使えません

公文書にブロックチェーンを適用できるか

さて、公文書をブロックチェーンで管理する、というのは現実的でしょうか。

公文書は適切にデジタルデータにできないのでは?

「公文書」というのは定義が広すぎますよね。
紙の書類も、Wordのデータも、すべて公文書です。

たとえば紙で作られた公文書が2部あったとして、これをそれぞれスキャンしてPDF化したとします。
2つのPDFファイルは見た目上同じ書類が表示されますが、バイト単位で見ると異なるファイルです。
ファイルの中身が少しでも違うなら、改ざんされたとみなしてしまうのではないでしょうか?

公文書を「みんなで共有する」というのは可能なの?

ブロックチェーンはみんなで共有して監視する技術です。
「みんな」って誰でしょう。
ビットコインの場合は通貨を使う人全員を指します。
公文書の場合は…さて…誰ですかね。

たとえば「公的機関=ユーザ」としてみましょう。
役所の作った公文書は、すべて、日本中の他の役所と共有です。
市町村でも、国でも、警察でも、裁判所でも、あらゆる公開書類を全員で共有します。

ブロックチェーンに乗せる以上、閲覧制限をかけることはできません。
閲覧制限するということは、相互監視の輪から外れるということだからです。
あらゆる公文書があらゆる公的機関の中で見放題になります。
私は政治に詳しくないんでよくわからないですが、それって良いんですか

それは、デジタル署名ではダメなの?

データの偽造防止としてわざわざブロックチェーンを使わなくても、デジタル署名という既存技術があります。
デジタル署名でも、十分に偽造防止できます。

ブロックチェーンがデジタル署名と異なる点は、

  • お金の取引のような「前後」の流れがある情報を記録するのに適している
  • 認証局のような「信頼できる第三者」を必要としない

の二点です。

公文書の保管は上記2点のどちらにも該当しません。
ふつうに第三者機関のデジタル署名を付けて、署名付きファイルを公開してしまえばそれで済む話ではないでしょうか?
第三者機関が買収される危険がある?そういう話をするなら、ブロックチェーンだってPoWの51%問題などの危険性は残ります。

おわりに

というわけで、私の結論は「ブロックチェーンで公文書偽造は防げるけど、コストがかさみすぎる」です。
単に公文書偽造を防ぎたいのであれば、ブロックチェーンとは無関係な「公文書データベース」などを作って、デジタル署名付きで公文書を一元管理すれば済む話ではないでしょうか。

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