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仮想通貨

ビットコインをイチから説明してみる その4

投稿日:2018年3月4日 更新日:

この記事は前回の続きです。
今回はビットコインの価値の出処と原価について。

今回のお品書き

前回までで色々と仕組みを説明し、仮想通貨というのが有り得そうな気配がしてきました。
今回は、なぜビットコインに値段が付くのか、という点を中心にお話したいと思います。

ビットコインの値段

この記事を書いている現在、ビットコインは1BTCが120万円ぐらいで取引されています。
この値段はどうやって、誰が決めているのでしょうか。

ビットコインができること

ビットコインが単体でできるのは、究極的には以下の2つだけです。

  • 新しいビットコインをマイニングし、自分のものにする。
  • 自分のビットコインの一部を誰かに渡す。

ビットコインはそれ自体はただの数字であり、「日本円と取引する」という機能はビットコインの仕組みでは提供されていません。

レアリティの形成

ビットコインに価値が付くもっとも根本的な理由は、「枚数が限られているから」です。
ビットコインは、ルールで定めた枚数より多くは絶対に増えません
ここに価値の出処があります。

例えば、ビットコインの世界に参加者が10人いて、それぞれが10枚ずつ持っているとしましょう。合計100枚です。
そこに、新しい参加者が現れます。
新しい参加者はどうやってビットコインを手に入れれば良いでしょうか。
「自分でマイニングする」か、「他の参加者からもらう」しかありません。
敵キャラを倒せばドロップするとか、初回ログインキャンペーンとか、デイリーボーナスとか、イベントで上位になれば手に入るとか、そういう方法は一切ありません

ここで他の参加者からもらうとしましょう。1枚欲しがったとします。
もともとの参加者は10枚ずつ持っているので、1枚ぐらいはタダでもらえるかもしれません。

さて、新しい参加者がイキナリ100人来たとします。
さすがに全員が全員タダで欲しがっても、ちょっと渡せなくなってきますね。
すると、タダで欲しがる参加者よりも対価を払う参加者に渡すようになります。価値の発生ですね。

参加者が増えても、合計枚数は増えない。
なので、参加者が増えれば増えるほど、1枚あたりの価値が増えていく。
参加者はビットコインを手に入れるために対価を払うようになります。そして、対価は参加者の数に合わせて額が上がっていきます。

モノの数が限られているのに、欲しがる人が沢山いれば、より高い値段で買ってくれる人にだけ売るようになる。
これが仮想通貨に値段が付く基本的な原理です。
仮想通貨に限らず、世の中のありとあらゆるモノはこんな感じで値段が付いています。

ビットコインの原価とは

モノに値段を付けるのであれば、なんらかの指標があるべきです。例えば競合製品の価格とか。例えば原価とか。
ビットコインには原価ってあるんでしょうか。

あります。マイニングにかかる費用です。
ビットコインはマイニングによって生み出されるルールです。
マイニングにはコンピュータを使います。
なので、「コンピュータ代」と「電気代」の2つがビットコインの原価になります。
そのため、ビットコインをマイニングして売りたいと思う人は、この原価を下回る額では取引したくないと考えています。おそらく。

原価から見るマイニング

前回説明しましたが、マイニングとは、1ブロックごとに行われる競争です。
勝者は1ブロックにつき1人。ビットコインは10分ごとにブロックを生成するので、1日あたり144ブロックしかありません。
つまり、マイニングに成功するのは1日で144人しか居ないんです。

そしてマイニングとは競争なので、「マイニングに必要な最低限の原価」というのはありません。
例えばマイニングの代わりに「100m競争で1位になった人が勝者」だとしましょう。何秒で走ればいいですか?答えはありませんね。
いま参加している人がどれだけいて、他の参加者がどれだけ強いか」、これを知らなければ戦うことができません。

さて、今のマイニング参加者の強さを調べてみましょう。
本来はブロックに含まれる難易度から逆算するものでしょうが、面倒なので海外サイトに出てる数値を使います。
秒間25エクサ個
これが今のビットコインのマイニングのために計算されているハッシュの個数です。
エクサって聞いたこと無い人も多いですかね。10の18乗、頭悪く言うとギガのギガ倍です。
この途方もない数字が、今のビットコインの競争の激しさです。

ビットコインのマイニングに特化した機材である「Antminer S9」というASICは1台で13TH/sを謳っています。全てのマイニングにこれが使用されていると仮定するとなんと190万台
消費電力はおよそ1台で1350Wらしいので、全部合わせると2.5GW。なんと原発数個分
10分あたりの電気代は東京電力で換算してなんと1ブロックあたり1100万円(26円/kWh)。
いま1ブロックあたり12.5枚が報酬なので、1BTCの原価はおよそ35MWh、東京電力換算で1枚90万円

1枚90万円(35MWh)。これが2018年3月3日現在のビットコインの原価です(機材代含まず)。
もちろん電気代は国や電力会社によって違いますが、おおよそこの値段が原価なわけです。

なぜこんなに高騰しているのか

一概に語るのは難しいですが、

  1. とにかく初めにビットコインが小規模に流行った。
  2. 参加者が増えた。
  3. マイニングする人が競争に勝つためにより高価な機材を大量に投入し始めた。
  4. 誰もが後にひけなくなった。

という流れにより、売価が高騰し、原価が高騰し、さらに売価が高騰、というのを繰り返して現状があります。
ぶっちゃけ、ソシャゲーのイベントで上位ランカーがえげつないスコアを出しているのと状況は同じです

仮想通貨の本質を思い出してほしい

いまのマイニング市場に思うのは、「正直やり過ぎです君たち」です。
マイニングというのはただの競争であり、マイニングも100m走も根本的には差がありません。
はっきり言って、マイニングのためのハッシュ計算を高速に行うことは、ビットコインのルールにおいて何の役にも立ちません。

仮に、仮にマイニング機材の半分がいきなりぶっ壊れたとします。
このとき、ビットコインのシステムは一切困らないんですよ。
全員の足の速さが半分に落ちるだけの話です。
送金が遅くなったり、誰かの残高が減ったり、そういうことは一切起きないんです。

ただ、速く走らないと競争に勝てなくなったからより速く走るようになった、というのが今のビットコインのマイニングです。
そのために原発数個分に匹敵する電力が浪費されている、というのはあまり健全な状態とは言えないのではないでしょうか。
というのが、ビットコインのマイニングに対する私の見解です。

(追記:つづきかきました。)

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  1. […] いちおう前回から続きます。 今回は、ビットコインとビットコイン以外の仮想通貨について。 […]

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